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2020年02月27日 当院心臓血管外科での動脈瘤治療に関する論文が海外の医学雑誌に掲載されました

動脈瘤治療は約10年間で大きく進歩しました。
特に、カテーテルを用いて血管内から動脈瘤を修復する治療法である「ステントグラフト」の開発が大きいとされています。血管内治療(ステントグラフト)の最大の利点は低侵襲である点です。従来の大きくお腹や胸を切開して行う手術と異なり、小さなきずで足の付け根の血管からアプローチし放射線の映像を見ながら治療します。
しかし、そのステントグラフトも万能な治療方法ではありません。例えば、開腹による修復術では動脈瘤を切除し根治できるのに対して、ステントグラフトでは動脈瘤は残存し再治療の確率が明らかに高いとされています。また、個々の動脈の形によっては不十分な治療となってしまう危険性も報告されています。

 

本報告は、内腸骨動脈瘤という疾患に対して当院で行っている治療方法について述べています。従来の開腹による動脈瘤切除術と血管内治療それぞれの利点を組み合わせる「Hybrid 手術」と呼ばれる方法です。開腹手術の根治性と血管内治療の低侵襲性を同時に得られる治療であると考えられます。

 

開腹手術は長い歴史があり、そこにステントグラフトが開発され、一般的な治療となりました。現在、多くの施設では、従来の開腹手術と血管内治療のいずれかをを選択して治療するのが一般的です。
しかし、これからの外科治療は、二者択一ではなく、それぞれの利点を組み合わせ、個々の患者さんに適した治療方法を計画することが求められると考えています。

 

今回は、当院で行っている、そのような治療のうちの1つを論文の形で世界に向けて報告させていただきました。
海外で治療しておられる読者も含め、ご評価いただけたことをうれしく思います。
引き続き、患者さんそれぞれに最適な医療を提供できることを目指して参ります。

 

Yohei Kawatani, Atsushi Oguri, Hybrid repair of isolated internal iliac artery aneurysm, Journal of Surgical Case Reports, Volume 2020, Issue 2, February 2020, rjz409,

 

(当院での臨床研究は、外部からお招きした委員、医師、看護師、医療職以外の職業の委員からなる倫理審査委員会にて患者さんの権利・研究の適正性・安全性・透明性確保等についての審査・承認を得ています。本研究と関連のある患者さんには、研究参加・不参加を自由意志で決定していただき、事前に「個人が特定できない形とされた診療データの学術的使用に関する同意書」にて文書で意思表示をいただいております。)

 

論文ページのリンク

 

https://academic.oup.com/jscr/article/2020/2/rjz409/5741792?searchresult=1