診療に関するお知らせ

2020年03月06日 下肢静脈瘤に対する新しい手術「接着剤による下肢静脈瘤閉鎖術(Venaseal, Medtronic社)」が始まりました

下肢静脈瘤に対する新しい手術「接着剤による下肢静脈瘤閉鎖術(Venaseal, Medtronic社)」が始まりました。
本治療は日本で認可されたばかりの新規治療になりますので、現在は限られた施設のみで施行可能です。
当院は施行可能施設です。下肢静脈瘤でお困りの患者さんは下肢静脈瘤外来までご相談ください。(ご予約いただいた方が検査や診察で待ち時間が短く、スムースです)

 

静脈瘤治療には長い歴史があり、100年以上前に抜去切除術が考案され、良好な成績により現在でも重要な術式であり続けています。
今からおよそ10年前に血管内焼灼術が日本で行うことができるようになりました。

ここに新たな治療が加わりました。

 

これまで、下肢静脈瘤治療の選択肢は以下のものがありました。
1 血管内焼灼術
2 抜去切除術
3 硬化療法
4 圧迫療法
手術と呼ばれるものは1と2で、いずれも成績は安定しており、世界中で広く行われています。何らかの理由で手術を行うことができない患者さんには3や4といった選択肢も重要です。

 

これに加えて、昨年12月より、完全に新しいコンセプトの治療法「接着剤による下肢静脈瘤閉鎖術(Venaseal, Medtronic社)」が厚生労働省に認可されました。逆流を起こしてしまい、静脈瘤の原因となっている静脈の中に、専用に開発された接着剤をごく少量注入することでその静脈を閉鎖させ逆流を治療します。
5年前にアメリカで開発・発売され、その治療成績を元に厚生労働省による認可を受けました。

 

「接着剤による下肢静脈瘤閉鎖術(Venaseal, Medtronic社)」の最大のメリットは、これまで血管内焼灼術や抜去切除術では必須であったTLA麻酔(局所麻酔の変法。薄めた麻酔液を多量に静脈周囲に注入し広い範囲の痛み止め、止血、断熱効果を得る)という手技が不要となったことです。針を刺す回数が減るため手術中の痛みが軽減されることが期待されています。
他のメリットとして、熱や手術による物理的な侵襲が非常に小さい点です。熱を使用せず、切除も行わず、血管内にカテーテルを挿入して接着剤を注入し治療するという方法のため、このような利点が生まれます。
その他にもいくつかのメリットや特徴があります。

下肢

 

一方で、新規治療になりますので歴史が浅いという点は考慮しなければならない点です。安定した成績で100年以上行われている抜去切除術に対し、本治療は世界で発明されてから約5年間経過した段階です。
現時点では、アメリカでの治療結果から、安全性を検討したうえで厚生労働省が認可したものですが、最新の治療であるがゆえに長期予後(例えば10年後、20年後の再発率や副作用がどうなっているか)がまだはっきりしていないという点には注意が必要です。

 

どのような疾患対するどのような治療も、すべてに利点と欠点があります。
重要なことは、それぞれの患者さんに最も適した治療を選ぶということです。
静脈瘤治療の選択肢が正式に1つ増えたという点は非常に喜ばしいことと思います。
当院では、これまでの4つの治療加え、「接着剤による下肢静脈瘤閉鎖術(Venaseal, Medtronic社)」も施行できる施設に指定されています。
下肢静脈瘤外来までご相談ください。